日本に行きたくて

今回お話を聞いたのは、中国からの留学生で社会学部3年の許諾瑶(キョ ダクヨウ)さん。

中国で生まれ育った許さんは、日本のアニメやドラマに魅了され日本へ。

現在は、ダンスサークルのセファランセラとコピーダンスサークルSpicaに所属されています。

許さんが感じた日本と中国の違いについて聞きました。

北川)本日はインタビューを受けてくださり、ありがとうございます。まず日本に留学された経緯をお聞きしてもよろしいですか。

許) はい、日本のドラマやアニメをみていて、中学生の時から日本の高校に行きたいと考えていました。ただ、その時には親からの反対もあり日本への留学は叶いませんでした。

中国の高校に進学しました。大学受験を考えなければいけない時期になり、日本の大学に進学することを視野に入れるようになりました。

北川)日本の学校生活がいいと思ったのはなぜでしょうか。

許)日本の高校には部活動とか文化祭みたいな活動がありますよね。

中国ではそういった行事や部活動はあまりないです。部活のようなものが存在はしていますが、平日1日と休日1日だけ活動し、それ以外の日は活動していません。日本の部活動とは違いがあります。

北川)そうなんですね。中国の高校を卒業された後すぐに、日本の大学に進学されたのでしょうか。

許) いえ、まず日本の高校で留学生として1年間勉強しました。中国での友人が日本に留学生を受け入れている高校があることを教えてくれました。その友達と一緒に日本に留学しました。

北川)日本語を勉強されたのは日本に来てからと言うことでしょうか。

許)そうですね、中国の高校を6月に卒業してから、夏休みの2ヶ月の間に中国内で日本語の勉強をしていました。ただ、中国国内で勉強してもあまり日本語が身に付きませんでした。

日本語がほとんどできない状態で来日しました。

来日してから、本格的に日本語を勉強し始めましたね。

北川)日本に来てからの勉強で困ったことはありますか。

許)日本語の語順に最初は苦労しました。日本に来てから2ヶ月後に日本語能力試験のN2に合格しなければ、入学したい大学に合格できなかったので必死に勉強しましたね。

北川)日本の大学の中で一橋大学を選ばれた理由があれば教えてください。

許)いくつか理由がありますが、1つ目の理由としては、経済的な理由から国立大学を志望していたことが挙げられます。日本の大学は私立だと学費がとても高いですよね。

2つ目の理由としては、一橋大学が文系として一番良い大学だと考えたからです。大学に入る前まで自分が勉強する分野を一つに絞りきれていませんでした。その点、一橋大学の社会学部であれば、入ってから幅広い分野を学び、自分の専攻を決めることができるので自分に適していると思いました。

3つ目の理由としては、大学のキャンパスが気に入ったことです。

北川)日本に来てから活動されていることについてお聞きしたいです。

許)日本の高校に留学していた時は、受験勉強しかしていませんでした。(笑)

大学では日本人の学生と同じような大学生活を送っています。

2年生からダンスサークルのSpicaに、3年生からはSpicaに加えてセファランセラに入って活動しています。

また、日本人学生と正規留学生の交流の場でもあるLanguage communityでコーディネーターとしても活動しています。

日中の文化の違い

北川)日本と中国で大きく違うな感じることはありますか。

許)人との距離感が違う印象がありますね。日本は中国より遠く、空気を読むことや、心遣いが行き届いていて、優しい印象があります。距離があるとも言えますが、丁寧で優しいとも言えると思います。

それと比べて、中国は距離感が近くて馴染みやすいですね。

飲食店などの接客が顕著に表れている例ですが、

「いらっしゃいませ」

「かしこまりました」

など、接客の言葉遣いなどで日本人の店員さんはクッションがある感じがします。

また、自分のミスに注意して自分のimprovementをするのが日本人であるように思います。

加えて、自分を何かの関係性の中に位置づけるのも特徴の一つのように思います。例えば、自己紹介をするときに自分の名前を名乗る前に、自分が所属する団体や組織の名前であったり、「母親」といった属性であったり社会的アイデンティティを最初に話すことが多いと思います。

北川)なるほど、ありがとうございます!

「天下の半分を支える」中国女性

北川)許さんは現在大学3年生ですが、この先の進路についてお考えになっていることがあればお聞かせください。

許)まずは、大学院に行きたいと考えています。その後については具体的にはまだ決めていませんが、日本で外資系の企業に入り、外資と中国と日本のブリッジみたいな仕事ができればいいなと思います。そうすれば、中国の家族に会うこともできるのかなと思います。

北川)日本と中国で女性の働き方に関する考え方の違いはありますか。

許)私は、中国の男女で仕事の働き方に違いはあまりないと考えています。

上の世代の人の中には、職場で男女で差別をする人がいるとは聞いたことはあります。しかし、同世代では、そういった考え方は主流ではないように思います。

私の両親は、二人で家の中の照明器具の会社を立ち上げ、母も父と同じように働いていました。その様子を幼い頃からみているので、女性も経営ができるし企業もできると考えています。

一般的な中国人の感覚としても、女性が男性と同じように平等に働くのが当たり前だと考えています。

北川)なるほど、女性の活躍は欧米と比較して日本が遅れているといった文脈で語られることが多いように感じていました。中国では働き方や仕事の面において男女での違いはあまりないのですね。

(※2022年のWorld Bank の統計によると中国の男性の労働参加率は72.6%。それに対して女性の労働参加率は61.1%。OECDの加盟国で最も女性の労働参加率が高いリトアニアは50.1%。日本は44.8%)

日本でも男女の違いに関わらず、働き方や、そもそも働くことに対しての考え方が変化していると思います。中国の例も参考にしながら、どのような働き方が日本の社会に合っているのか考えてみるのも面白いかもしれません。

本日はありがとうございました。

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北川諒

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