今回取材させていただいたのは、経済学部4年の片岡慶一郎さんです。

片岡さんは経済学部の山下ゼミに所属されており、3年次にゼミ生の3人で一般社団法人Coを設立されました。

この記事では、現在行われているカーボンクレジットなどの脱炭素事業や、片岡さんらが法人を設立するまでの経緯についてお伝えしていきます!

Vol.2では一般社団法人Coが設立されるまでのお話や、一般社団法人についてなどを伺いました。

民間の手で農家の支援をするために

━━━━ まず大学に入る前は、起業などを考えられていましたか。

片岡さん:正直、小中高は部活に打ち込んでおり、起業に関しては全く考えていなかったです。ただ、いっぱいお金を稼ぐことに、ざっくりとした興味がありました。

━━━━ なるほど、そこから3年次に社団設立に至ったということですが、一橋であれば就活という選択肢が一般的な中、なぜ起業をされたのでしょうか。

片岡さん:実は就活もしっかりやっていました。ただゴルフ部の活動が落ち着いてきて、ゼミの研究を実証に移す場が欲しかったことと、カーボンクレジットが新しい分野かつプレイヤーがいないということで、学生でも参入余地があると思い、始めました。

また、カーボンクレジットの会社を作ろうとしたきっかけは、自分の親戚に農家さんがいて、彼らをお金の面から支援できないかと考えていたことです。今までは税金や助成金がメインで、民間からの支援が手薄でした。そこで農業の、温室効果ガスの削減や生物の保全といった機能をカーボンクレジットに取り入れれば、新しいお金の流れを生み出せると考え、法人を作りました。

株式会社ではなく、一般社団法人

━━━━ 一般社団法人という起業方式を選択された理由を教えていただいてもよろしいですか。

片岡さん:一般社団法人にしたのは単純に作りやすかったからです。同時期に似たようなベンチャーができたこともあり、最初は実験的に小さく始め、最終的にはそのベンチャーと協力することを考えていました。

━━━━ 一般社団法人は非営利団体で、同じ非営利団体のNPO法人に比べ、設立費用や設立までの時間が少なかったり、自由に活動できたりすると言いますよね。起業と言えば、株式会社がベンチャーキャピタル(VC)から資金を調達するなど、資金面の苦労が思い浮かぶのですが、一般社団法人はどうでしたか。

片岡さん:一般社団法人のほうが必要な資金が少ないです。特に借金とかもしないので、もし倒産しても負債を背負うことはありません。また設立当初は実証的に様々な領域で取り組みたかったので、VCから資金調達できてもVC側から事業へのプレッシャーや目標が課せられることから、逆に足枷にもなり得ました。なのでまずは一般社団法人という選択をしました。

━━━━ なるほど、ではメンターのような方はおられましたか。

片岡:メンターはおらず、完全に自分たちだけで最初のステップを踏み出しました。実はゼミの山下先生にも事後報告になったんです。笑

━━━━ それは先生もびっくりでしょうね。笑 設立までに苦労などはありましたか。

片岡:一番苦労したのは、社団の設立手続きとカーボンクレジットの申請手続きです。

会社設立に関しては、オンラインの申請が難しく、立川などいろんなところに行って申請するのが大変でした。

カーボンクレジットの申請では、経産省と農水省と環境省の三者が運営するJクレジット制度という制度がありまして、それに認証してもらうための書類の作成に苦労しました。

失敗を恐れないということ

━━━━ 大学の研究と社団法人としての活動で違いはありますか。

片岡さん:1番は、クレジットを実際に作れるということですね。現状カーボンクレジットを作れるのは、法人のみとなっているので。またクレジットを買う側である大手企業さんとも、法人となればお話がスムーズに行えます。

━━━━ 社会的信用は大きな違いですね。3人で起業されたとのことでしたが、その恩恵はありましたか。

片岡さん:やはりお互いの得意不得意を補えるところです。私が苦手な論理的思考や資料作成も、得意な仲間たちが支えてくれます。

━━━━ 助け合いはやはり強みですね。今後の団体の展開を伺ってもいいですか。

片岡さん:卒業後も社団の活動を続け、また別で株式会社も作り、しっかりお金を稼ぐモードに入ろうと思っています。個人的には生物多様性の評価に可能性を感じているので、そこの研究もやっていきたいです。

━━━━ 最後に、起業を考えている学生に向けて、もしくは、自分が起業前に戻れるとすると、どういう助言をされますか。

片岡:そうですね、クレジットや脱炭素はここ数年で制度が整備されており、ネット上に正しい情報がありません。そうなると、第一線の方にお話を聞くか、実際にやってみるしかないと思います。現状、課題が山積みの分野ですが、まずやってみて、失敗してもリスクはほぼないです。

━━━━ それは一般社団法人だからですか。

片岡さん:そうですね。社団法人としてのリスクも少ないと思うのですが、そもそも現状として、脱炭素という取り組みが成熟しきっていないので、失敗もプラスの成長に繋げられます。これがだめだったね、という情報自体が他の分野よりも価値があります。

なので、とりあえずやってみること、失敗しても問題ないと学生の皆さんには伝えたいです。それと、何か熱中できることを持った方がいいです。起業に限らず、何かしら頑張れることを持ってほしい。そこで起業がもう少し一般的な選択肢と認められればいいのかなと思います。


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今回は一般社団法人Coの代表、片岡慶一郎さんのお話でした。みなさんが起業という選択肢を考えるきっかけになっていただけると幸いです。

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