今回取材を行ったのは、メキシコへ留学された、商学部4年生の入山紗香さんです!

Vol.1では、入山さんがメキシコへ行かれた経緯、文化を中心に語っていただきました!

Vol.2では、メキシコでの活動・就活・マインドの違いについて語っていただきます!


Vol.1はこちら! ↓


以下、Vol.2です!

Youは何しにメキシコへ?

熊谷)では、メキシコでは、具体的に、どのような活動をしていたのか、教えていただいてよろしいですか?

入山さん)基本的に、大学では、現地の人が通う大学があって、そこの中に外国人向けの語学学校があるので、そこで授業を受けていたわけですけど、別に一日中授業受けているわけではないので、それが終わったら友達と遊んだり、友達の授業に潜ってスペイン語の耳慣らししてたりしました。あとは、出る宿題が中学生、高校生レベルの英語や数学の課題なので、ずっと、友達に確率の解き方教えてましたね(笑)

熊谷)勉強内容は、日本の中高生の内容だったんですか?

入山さん)いえいえ、もちろん商学部なので、マーケティングなどの専門分野を勉強しているわけですけども、一橋でいう全学部共通科目みたいな教養の授業だと、扱っているレベルは簡単だったので、教えることができました。

熊谷)そうなんですね。ちなみに、アルバイトはしていらっしゃいましたか?

入山さん)アルバイトはしていなかったのですが、インターンのようなものはしていました。メキシコシティで、日系企業で従業員さんに労働条件はどうか、どのような点を改善してほしいかインタビューして、それをレポートにして、社長さんに改善案を提出するということをやっていました。大学の勉強もしつつ、企業のお偉いさんに適したスペイン語を学ぶという点で、とても力になったと思います。

デモの参加経験も

熊谷)素晴らしいご経験ですね。サークルなど、学生主体の活動には参加されていましたか?

入山さん)サークルには入っていませんでしたね。強いてあげるなら、デモっぽい運動に、友達に連れて行かされていたことですかね。

熊谷)それこそ、海外ならではという活動ですね。やっぱり日本と違うところは大きいですか?

入山さん)そうですね。それこそ積極的だし、若者が多いです。デモといえば、割と年配の方が参加しているイメージが私にはあったんですけど、例えばLGBT+Qのデモなどでは、自分から主体的にちっちゃい子から大人まで参加して、日本の大学生と比べてすごくちゃんと物事を考えていて、「こういうのってダメだよね」「こうした方がいいよね」みたいな信念をちゃんと持っているような気がします。

熊谷)日本の大学生も、きちんと社会問題を意識して、意見を持ってほしいと行ったところですか?

入山さん)いや、日本の大学生がダメといっているわけではないです。ただ、考えることと勉強することってまた違うかなって。彼らはそこまで頭がいいわけではないけど、ちゃんと考えて、行動に移せているところがリスペクトできるなと思いました。

就活からわかる!日本との違い!

入山さん)あと感心したのは、それぞれが「こうしたい」という信念をちゃんと持っていることですね。例えば、人生の王道ルートみたいなものがないんですよ。日本だったら大学出て、新卒でいい企業入って、就職してっていう定番ルートがあるじゃないですか。

熊谷)ありますね。

入山さん)例えば、私が「将来どうするの」って友達に聞かれたときに、「日本に戻って普通に就職するかな」と答えていたのですが、まずそんな普通があるということに驚かれるんですよ。「卒業したって、お金に困ってないのなら働く必要ないじゃん。」「私は今の勉強が好きだから、もう一回大学入り直そうかな。」みたいな。

人生全体の設計を一切せずに、その時その時に、自分がやりたいことをやる、ある意味楽観的なマインドが私にはとても衝撃的だったし、これぐらいのマインドで生きていればすごい楽だろうなと思って(笑)

熊谷)そのマインドは確かに日本人の中にはないですね(笑)

入山さん)馬鹿にしているわけじゃなく、良い意味で、自分が何歳だろうが、自分が今何してようが、周りは周り、自分は自分だしっていうので、周りの人と比べないんですよね。なんとなく頭ではわかっていたけど、そんなに違うものなんだということを実際に体感したしたことが一番大きな学びでした。

熊谷)卒業して、もう一回大学に入り直す人が多いということでしたが、それは就職にマイナスにならないのですか?

入山さん)全くならない。むしろ色んなこと勉強したんだねと評価されると思います。

熊谷)では、日本より広い年代の人が一緒に就職するという感じですか?

入山さん)ちょっと違います。日本みたいに何月に面接やってというスケジュールがなくて、いつでも入社できるんですよ。働きたいと思った瞬間に就活を始められる点で、日本でいう「アルバイト」に近い感覚ですかね。それも留学前に頭の中では知っていたことが、身になって経験したことの一つですね。

熊谷)行かないと気づかないことは多いですもんね。

入山さん)本当にそうです。

「先輩」「後輩」なんて気にしない!

入山さん)そんな感じなんで、例えば同じ二年生でも、20歳の人から30歳近い人もいます。日本では、年の離れた学生同士ってなんとなく隔たりがあったり、交流する機会が少ないじゃないですか。

熊谷)なかなか話しかける事もないですもんね。

入山さん)そういう日本みたいなことが一切なく、学年による先輩・後輩という概念がないので、フラットに仲良くやっているので、そこがまず違いの一つですかね。すべての人生の選択肢をフラットに全員が見ている感じがあって、そういう意味で、お互いがどういう人生を歩むのかについて、すごいフラットな気持ちでリスペクトを持ってるところがあります。

自由に生きていいんじゃない?

熊谷)いま日本にいて、メキシコが恋しくなることはありますか?

入山さん)めっちゃあります。日本にいると、やっぱりしがらみというか、固定観念みたいなものがかなりあるように感じます。

熊谷)たしかに、そういう価値観もあるかもしれませんね。

入山さん)向こうにいると、周りに合わせなきゃという感覚がないし、人と違うことをしていても、「あいつは日本人だから」みたいな一言で済ましてくれて楽でした。ただ、日本にいると自分はマジョリティになるわけなので、周りに合わせないといけないのが息苦しくなる時はあります。

熊谷)留学に行って、一番変わったのは、気持ちの部分ですかね?

入山さん)そうですね、マインドセットの部分が一番大きいと思います。留学行く前は、休学しているわけなので、一年を棒に振らないために何かしら成果を残さないとというプレッシャーがあったんですよ。でも留学してから、もっと自由に生きていいんじゃないか、自分がその場でパッと思いついたことを、やってもいいんじゃないかという感覚を体感することができましたね。

旅行では味わえない視点

熊谷)そういった意味で、留学は視野が広がるものですね。

入山さん)そうですね。ただそれは、留学先で何をやるかによると思いますが、向こうの文化を知るということに関しては、旅行だとあくまでも体験するだけで、経験するというレベルまでは達しないと思ってて。

熊谷)実際住んでみなければ、肌で感じられないことは多いですもんね。

入山さん)留学であれば、どのような形でも、少なからずそこで生活するという状況になるわけじゃないですか。なので、自分が持っていなかった視点は生まれるでしょうし、マイノリティになったところから見る世界からはなにかしら得るものはあるんじゃないかなと思いますね。

熊谷)なるほど、参考になります。


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熊谷 唯志

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